この質問は、
①、 会計監査人(第三者による財務諸表監査)として、仕事を選ぶ場合に
大手監査法人、中堅監査法人、個人公認会計士事務所がいいのか?
②、 税理士業務として仕事を選ぶ場合に、税理士専業者がよいのか、公認会計士兼税理士事務所がいいのか?
③、 会社法のもとでの「会計参与」を選任する場合に、税理士がいいのか、公認会計士がいいのか?
という3つの質問に分けて考えてください。
①大手監査法人か、それ以外か?
証券取引法の監査や海外市場から資金調達をしているグローバルな企業の場合は
大手監査法人に仕事を依頼すべきでしょう。監査に従事する公認会計士個人の資質はたとえ変わらなくても、資本市場を横から支えている会計監査人の役割は個人の資質と同時に、審査機構をも含めた組織的監査が必須だからです。
しかし中規模監査法人や個人公認会計士事務所で実施できる監査業務も前の質問の答えでも触れたようにたくさんあります。
いずれにしても財務諸表監査は税理士は行うことができず、公認会計士もしくは監査法人でないとできません。
②公認会計士兼税理士と、税理士専業者のどちらを選んだらいいにか?
この答えは一律にはいきません。
税理士専業者でも、試験科目によって、相続税は受験していないとか、所得税は受験していないとかがありますが、実務経験の中から当然に十分なる知識を習得しているはずだけらです。
公認会計士である税理士も、試験科目として税法も受験しています。もっとも税理士試験の税法単一科目受験ほど深く勉強していないかも知れません。しかし法人税や所得税の受験をしていない税理士がいるように、問題は税務の実務経験から得た知識に勝るものはないからです。
公認会計士兼税理士でも監査業務しかやってきていない人の場合は、税務が弱いかもしれません。
また監査業務を経験したことのない職業会計人の場合は、大きい組織の会計や税の実務は不得手かもしれませんし、内部統制組織のあり方等に疎いかもしれません。
要するに、どのような資格を持っているかではなく、実務でどのような経験を積んできたか、どのような環境で仕事をしてきたかでその職業会計人の中身が決まってきます。
③会計参与は?
会計参与のよって立つべき基準は「企業会計原則」であり、中小企業の場合は「中小企業の会計に関する指針」です。
不良債権で回収可能性のないもの、不良棚卸資産で売却可能性、転用可能性のないもの、著しく時価の低下した回復の可能性の無い上場有価証券等は会計上、評価損の計上をしなければなりません。
また「その他有価証券」は時価法で評価し、資本直入という方法で会計処理します。
税務会計一辺倒できた職業会計人(つまり税務署の顔だけ見ている会計事務所、税務署が文句を言わなければいいという会計事務所)の場合は、法人所得にこれらの評価損を加算して税金を払うような処理(我々はこれを有税処理といってます)を経営者に説得できないかもしれません。
賞与引当金や退職給付引当金ですら税法上認められていないからとの理由で計上していない会社が沢山あります。そして減価償却費を計上してしまうと大幅な赤字になるので償却費の計上を見合わせるというような職業会計人今までは沢山いたようです。
所得がが毎年十分出ていながら、事業税について繰延税金資産が計上していない会社は沢山あります。(金融機関の監査を長年やっていますが、中小企業で繰延税金資産を計上している決算書を見たことがありません)
従って、税務会計一辺倒でやってきた税理士や公認会計士は、会計参与就任は向かないでしょう。
商法が改正されて会社法になりました。 財務諸表も大きく変化しています。 その大改革に対応した
意識の変革のできていない会計事務所に会計参与を依頼すると大変なことになります。
財務諸表に「個別注記表」というものが新たに加わりました。 この記載方法をみれば、その会計事務所の考え方や、指導姿勢がわかります。要はこの「個別注記表」を読めばその会計事務所の会計の質的レベルがわかるということです。 |