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公認会計士稲門会会長就任挨拶

平成27年7月に公認会計士稲門会の会長を仰せつかりました。
HPに掲載されている会長挨拶を掲載します。 この業界に入ってきた、あるいはこれから入ってくる若い職業会計人に向けたメッセージです。
画像は下記をクリックしてください。 読みにくい場合は、「詳細はこちら」をクリックしてみてください。

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会員の皆様こんにちは。
平成27年7月3日の総会において会長に選任された渡辺俊之です。
会員の皆様には、日頃より会務にご理解、ご協力頂き誠に有難うございます。
自身の職業会計人としての世界も、そろそろ先が見えつつある中、会長に就任するにあたって、わが業界で過ごしてきた事を振り返ってみたいと思います。

1. 同業種交流の重要性
我々の仲間には、同業種の会合には一切参加しない方もいます。「同業者と付き合っても意味ないでしょ?」といった発想が根底にあるらしいです。しかし考えていただきたい。特に同じ職業会計人でも公認会計士業務は、グループで業務を遂行する機会が多いといえます。私自身の経験からしても、仲間に助けられてこそなしえた業務や会務が、数えきれないくらいあります。
金融機関監査、大学の学校法人監査、包括外部監査等々精通者とのコラボレーションで、責任者として自身の足らなざる部分を補ってくれた仲間がいてこそ、現在の私があります。監査法人に属さない個人の会計事務所経営者としてはありがたい存在です。
そして同業者との付き合いの最大のメリットは、必要情報、気が付かなかった情報、経営方法等のヒント等々が得られることです。だから同業者との交流、協会役員等の経験は重要です。そしてその原点は公認会計士稲門会にあります。

2. 異業種交流の重要性
顧客予備軍との接点で大事なのは、異業種交流でしょう。私自身、若い時代はあちこちの異業種交流グループとの付き合いも多く、毎日のように飲み明かしたり、カラオケ交流・交遊に浸っていました。しかしそれら遊び仲間等との長い長い付き合いから事務所の基盤も支えられていました。このような付き合いの中から人脈の広がりも、予想外のところに展開していきました。
若手の中小企業創業経営者、2代目経営者、上場を目指している勢いのある経営者、上場企業の社外役員としての会社内部からガバナンスのあり方への自問自答。個人経営の老夫婦とのおつきあい。同族経営の中でありがちな経営陣のいがみあい、兄弟喧嘩、親子喧嘩。それらの紛争に取り込まれないようにしつつ、バランスの取れた公正なアドバイス。様々な異業種の方々とのお付き合いの中で、人生経験を踏み、顧客にも恵まれ、60歳代での働き方にこそ、顧客の視点に立ったよきアドバイスができた時代だと認識できます。異業種交流の重要性がここにあります。

3. 人脈に頼らない事業展開の重要性
出版社から30歳の時に独立し、従業員30人程度になっていた税務業務のクライアントがあります。彼は業界誌・月刊誌の編集業務でその規模まで成長しました。しかしその経営者は、ある時、数年かけて今までの仕事から方向転換し、全く違う分野に進出し、今は従業員200人の会社に成長しています。
その社長に、事業転換の理由を尋ねたところ、「コネや従来の付き合いの延長線上で仕事やっていたら、これが限度ですよ。先生の業界も同じでしょ?」そして彼は、人脈や、コネや、過去のつながりとは縁のない世界での事業展開で成功したのです。
「先生の業界も同じでしょ?」の問いかけにハッとしましたが、もうこの年になってしまいましたので、過去の反省として、人脈に頼らない事業展開の重要性をもお伝えして、会長挨拶としたいと思います。

~平成27年7月30日 渡辺俊之~