課税期間の基準期間(前々事業年度)における課税売上高が3,000万円以下の事業者は、その課税期間につき消費税の納税義務を免除されます(輸入取引を除く。消税9条)。
解説
1制度趣旨
課税ベースをできるだけ広くして、消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の趣旨からすれば免税制度を認めないのが望ましいのですが、零細小規模事業者の事務負担と納税者が非常に多くなることによる徴税コストを考慮してこの免税制度が規定されています。
2要件
課税期間の基準期間における課税売上高が3,000万円以下である場合に納税義務が免除されます(消費税9条)。一般の法人の場合、前々期の課税売上高が3,000万円以下であれば今期の消費税の納税義務が免除されることとなります。
基準期間が1年でない法人、例えば前々期が設立第1期であるような法人については、基準期間における課税売上高を1年分に換算した上で、3,000万円以下かどうかを判定します(消税9条2項2号)。
基準期間がない法人、例えば今期が設立第1期または2期である法人については、事業年度開始の日における資本または出資の金額が1,000万円以上であれば、納税義務は免除されません(消税12条の2)。
また基準期間における課税売上高は事業者単位で算定しますから、2種類の事業を営んでいる場合や、2つ以上の事業所を有している場合には、それらを合計して課税売上高を算定します(消税基通1-4-4)。
3課税事業者を選択する場合
基準期間の課税売上高が3,000万円以下であり、免税事業者に該当する場合でも、課税事業者を選択することができます。
課税事業者となることにより、課税売上にかかる消費税額より課税仕入等にかかる消費税額の方が大きい場合には消費税の還付を受けることができます。例えば多額の設備投資を行う場合や、輸出を専業に行っている事業者の場合には、課税仕入等にかかる消費税額の方が大きくなることがあります。このような場合には免税事業者に該当しても、課税事業者を選択する方が消費税の還付を受けられるので有利となります。
課税事業者を選択するには、「消費税課税事業者選択届出書」を所轄税務署長に提出しなければなりません(消税9条4項)。
届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後について課税事業者となることができます。ただし届出書を提出した日の属する課税期間が、事業を開始した課税期間等である場合にはすぐに課税事業者となることができます。
課税事業者を選択した事業者が、免税事業者に戻るには「消費税課税事業者選択不適用届出書」を所轄税務署長に提出する必要があります(消税9条5項)。届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から、免税事業者に戻ることができます(消税9条7項)。
ただし、いったん課税事業者を選択したら2年間は免税事業者には戻れません(消税9条6項)
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