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不惜身命

「今後も不撓不屈の精神で、力士として相撲道に不惜身命を貫く所存です。」
初場所限りで引退した第六十五代横綱、貴乃花の横綱昇進時の口上であります。
広辞苑によると、「仏法のためには命を惜しまずにささげること」とありますが、貴乃花のいう不惜身命とは、「命を惜しまず相撲道に専念し励むこと」の意味であります。
生涯成績701勝217敗201休、優勝22回という金字塔を打ち立てました。実に勝率7割6分。15日間の成績でいうと11勝から12勝換算です。すごいです。

彼の全盛期といえば、平成6年9月からの2場所連続全勝優勝時と、平成8年3月からの四場所連続優勝時でしょう。ちなみにその間13場所で優勝10回、相星決戦負け2回、準優勝1回というスゴさ。その時期はまさに現代の双葉山とまで言われる程の強さでした。
四つ相撲を極めるまでの試行錯誤の期間もまた強く、強靭な足腰で残している間になんとなく勝つ…そんな相撲が多かった(体力勝ち)
横綱昇進までに優勝7回を要したのは貴乃花だけです。(ちなみに朝青龍は優勝2回、北尾は0回で昇進)

彼の全盛期には、圧倒的な体力でぶちかましてくる外国人力士全盛の時代でもありました。
曙、小錦、そして今よりももっと強かった武蔵丸…
その外国人に勝つためだけに体重を増やしました。その体重を背負って、常人では考えられないような狂気じみた稽古を繰り返し、彼はついに全盛期を迎えたのです…。
しかし暴食を繰り返し、肝機能障害を患ってからは思うような稽古が出来なくなり、また体重増加に伴い、足腰が悲鳴をあげ始めたのです…。その後は知っての通り。
宮沢りえと別れた時の彼の発言…「りえさんに対して愛情がなくなった。私の力のなさ。情けないです…」この発言以来マスコミの強烈なバッシングを受け続けたのです…。

貴乃花の偉大さは今後10年程度の相撲界を見れば嫌という程感じることでしょう。
不世出の大横綱とは彼にこそふさわしい言葉だと思われます。

…ここからは全て筆者の私見です…

そしてなにより彼はガチンコ力士。毎日が真剣勝負です。
相撲界には信じられない程の注射力士がいます。15日間真剣勝負を繰り返し、この成績をあげるなど信じられない…というのが相撲関係者の共通認識です。
なおかつガチンコ部屋として有名な武蔵川部屋との対立。
彼らの相撲は汚いことで有名。出島の立ち合いの汚さは有名。タイミングをわざとズラして目一杯低く立ち、貴乃花にケガをさせた時に貴乃花が、「あの立会いは汚い」と言ったのは有名。
そして貴乃花に致命的なケガを負わせた武双山。彼は単純な押し相撲しか出来ないため、貴乃花にまわしを取らせたら勝負になりません。そこで彼はまわしを緩~く締めて土俵に上がり、まわしを取らせての下手捻り…緩いまわしを掴んだ貴乃花は膝から落ち、力士生命に致命的なケガを負うこととなるのです。
ガチンコ力士はケガとの戦い。ちなみに今武蔵川部屋の力士は非常に苦しい状況です。

最後に今後の相撲界の流れを…。来場所以降の客の入りは6分程度との予想。そして外国人力士全盛。外国人両横綱に対抗出来そうな力士も皆無。唯一、鳴門部屋の、隆の若、若の里両力士(二人ともガチンコ)が多少対抗出来るか?という程度の惨状。朝青龍もあの体であの相撲を取っていれば、ケガがつきまとうでしょう。今後も持病の山程ある武蔵丸の天下が続くとしか思えない情けなさ。慢性的な稽古不足の大関陣は勝ち越しがやっと…
ついこの前まで横綱候補だった栃東などは、初日から五連敗したあげくに、翌日の取り組みで、肩をケガ。その日は「たいしたことないですよ、明日も出ます」しかし翌日いきなり肩の亜脱臼で全治2ヶ月の発表(本当かよ)。そんで来場所は公傷全休。それを聞いた相撲関係者の話。
「あいつはいいタイミングでケガしたなあ、ゆっくり休めて大関落ちないもんな」…なんだそりゃ(冷笑)

(2003.2.3 T.K)