スタッフブログ

STAFF BLOG

太ったのはマックのせい?

子供の肥満の原因になったとして、ファストフード大手のマクドナルドを相手取った訴訟がニューヨーク・マンハッタン地裁であり、「(マクドナルドで食べ続ければ)体に良くないかもしれないと知りつつ、(ビッグ・マックなどの)スーパーサイズのハンバーガーを飽きるほど食べ続けておきながら、マクドナルドを責めることは出来ない」と原告の請求を棄却する判決が下された。

マクドナルド広報は「最初から取るに足りない訴訟だと考えていた。常識の勝利だ」との声明を発表したが、原告側弁護人は、訴状を修正して再提訴する方針だという。
報道によると、原告は19歳で168センチ・123キロ、14歳で147センチ・78キロの少女2人。
数年にわたってマクドナルドのハンバーガーやフライド・ポテトを食べ続けた結果、肥満体になったとして本社と地元の2店舗を訴えていた。

このニュースは日本人の私からすると原告の常識を疑うものであるが、過去にもマクドナルドがらみの信じがたい判決がありました。
これは結構有名な話なので、ご存知の方も多数いると思います。
ある老婆がマクドナルドでホットコーヒーを注文しました。そして、そのコーヒーを老婆が自分で膝の上にこぼしてしまい、大火傷を負いました。「熱いコーヒーを提供したマクドナルドのせいで火傷をした。賠償金を払え」となんとこの老婆はマクドナルドを訴えたのです。
マクドナルドの従業員が老婆の膝にコーヒーをこぼしたのではありません。老婆自身が自分の過失でコーヒーをこぼしたのです。が、この老婆は訴訟に勝ち、マクドナルドは億単位の賠償金を払うことになりました。

この訴訟に懲りたマクドナルドはホットコーヒーの温度を下げ、身体にかかっても火傷しないようにしたといいいます。
ところが、今度はホットコーヒーを注文した別の客が「こんなぬるいコーヒーをホットと称して売るのはけしからん!」と又もやマクドナルドを訴えました。
その結果「客に対して、商品の信頼性を失わせるような提供をした」ということで、マクドナルドは再び敗訴。またまた、大金を支払う羽目になったそうです。

さすがのマクドナルドもこれには参って、アメリカ全店舗からホットコーヒーを商品メニューから外しました。当然、他のファーストフード・チェーンも右に倣えとホットコーヒー(無論、ホットティー等含む)を撤廃。
アメリカ人が真冬でも、ハンバーガーを頬張りながら、ダイエットコークを飲んでいるのは、このような理由からなのだそうです。

一度標的になると、弁護士が便乗して訴訟が繰り返されるのが米国。集団訴訟が一般化し、かつ法曹人口が多いアメリカならではの話です。
日本も法科大学院が稼動し、弁護士数が現在の2万人から目標の5万人に増加するとこのような訴訟文化が醸成されるかもしれません。

(2003.1.24 K.T)